親の心得
ひとりひとりの生徒と向き合う個別指導の実績がある受験舎の先生たちが、子供たちのモチベーションをアップ
させるノウハウや、やる気にさせる言葉を親御さんたちへレクチャーします。
其の13 三つ子の魂百までも
最近の学習相談でよくこんなことをお話します。
それは「首都圏など都会に住んでいる子供たちは幼いころから日々競争の中で育てられているため、小学校入学時から大学受験まで常にダッシュをしなければならないが、栃木県など、のんびりとした環境で育った子供たちは、小中学校の時期は助走(ウォーミングアップ)段階で、高校に入ってからいきなり猛ダッシュしなければならなくなるのですよ」と・・・
こういうお話をするといかにも栃木県の子供たちが競争に乗り遅れそうな感じがしますが、実は逆なのです。幼いころから競争にさらされていると、どうしても"目先の目標"にこだわらなければならなくなり、年齢が上がるごとにだんだんと伸びしろがなくなり、最悪は大学受験までに勉強することに疲れてしまい、志望大学に合格できないという生徒も少なくないのです。
その点、栃木県の子供たちは環境がのどかなため、"やり方"さえ間違わなければ受験の最終ゴールでもある大学受験において最高の結果を残すことも十分可能なのです。
では、栃木県の子供たちにとって、将来大成するために最も大切なことは何か?
それは、"決してあせらないこと"なのです。では"あせらない"とはどういうことか?
例えば勉強において
① 目先の点数にこだわらない
② 答えを出すことをあせらない
③ 答えが合っていることにこだわらない
④ ひとつひとつ勉強の中身にこだわる
⑤ 間違うことを隠さない
また、生活において
① いろいろなことに興味を持つ
② 素直な心を持つ
③ 謙虚さを身につける
④ 明るくポジティブな考え方をする
などです。
これらはいったいどういうことかと言いますと、せっかくウォーミングアップとして与えられている時期に"今やるべきこと"を"今のうちに"やることがその子の将来にとても大きな影響を与えるということです。
例えば子供たちに足し算・引き算・掛け算・割り算の意味を説明させると「計算はできるけど意味はわからない」という子がとても多いこと、数学で簡単な文章題を解く前にその文章についていくつか質問をすると「解くことはできるのに、意外にも説明ができない」子が多いことなど、"ひとつひとつの知識について深く理解していない子があまりにも多い"ことに驚かされます。
この原因のひとつは、結果主義にあります。その最たるものに中学受験があります。中学受験の準備のために"中学3年生"がやるような勉強をして受験に望むわけですから当然中学に入学してもそれを生かしてよい結果が得られると思うのはあたりまえでしょう。
ところが、多くの子供たちは入試が終わると同時に習ってきたことを忘れているのです。つまり、点数を取るための勉強はしていても、知識や考え方を"身につける"勉強はしていなかった証拠です。
"三つ子の魂百までも"ではありませんが、ぜひその年齢において身につけなければならないことを、確実に身につけながら"ゆっくりと" そして "大きく" "背伸びをせずに"成長していってほしいものです。