誰しもが抱えているであろう、悩みや不安といった「心の傷」。
その傷をうけた場所に包帯を巻くと、なぜか心がスゥーと軽くなる。そんなことをきっかけに包帯クラブが始動していく。
登場人物は、どこにでもいそうな高校生たち。将来に対する不安や、周りから見れば些細なことに、一人は半ばあきらめ、一人は大きく心を痛める。他にもそれぞれの立場から抱える大小さまざまな「心の傷」を通して、他人との触れ合いを感じる。
そしてそれを通じて、自分の抱えている「心の傷」と向かい合い始める。と、ここまでは、作品の内容をおおまかに書きましたが、この作品は、包帯クラブというタイトルからは、想像し得ない面白さがありました。この次に何が起きるのか先読みできないほど意外なことの連続でした。
そして、思い返してみると、伏線が見事にはられていて、見終わった後にかなり充足感がありました。また、ところどころに散りばめられた、セリフや文字、更に映画なら、セリフの無いワンシーンにこそ感じ入るものがあり、そして恐らくそれは、見ている人の考え方や、悩みによって様々だと思います。
原作の本は190ページ程度と短めなので、短時間で読み上げられると思います。また、映画には、映像としての力があり、かなりインパクトがあります。若干ストーリーも変わっていますので、それぞれの良さがあります。どちらでも結構ですので、ぜひご覧になってください。